DES対象債権の評価と税務処理

国税庁はこのたび、DES実施時におけるDES対象債権の税務上の時価について、経産省への文書回答で明らかにしました。

文書回答によると「税務上の時価」は、法人税法における「給付を受けた金銭以外の資産の価額」であり、これは、「合理的に見積もられた回収可能価額」に基づき評価するとのことです。

では、この「合理的に見積もられた回収可能価額」とは何かというと、一般的には、①一定の私的整理で定める資産評価基準に従って合理的な再建計画を策定し、②実態貸借対照表を作成した上で、③これをベースに債権者調整等を行った後に決定するものということです。

一方、債権者側においては、DES実施時の交付株式の税務上の取得価額は、法人税法で規定する「給付を受けた金銭以外の資産の価額」であるとされ、これにより、DES対象債権の税務上の時価は、債権者側・債務者側で一致するということになりました。

結果的に債権者側においてDES対象債権の額面金額と交付株式の税務上の時価との間に差額がある場合には、その差額は寄付金とはされず、債権譲渡損として計上することが認められることとなりました。

確かにこの「合理的に見積もられた回収可能額」の明確化は意義深いことです。

しかし、あくまでも、この見解は、企業再生税制の適用対象となる一定の私的整理等(私的整理ガイドライン、RCC、中小企業再生支援協議会、事業再生ADR、企業再生支援機構の関与する私的整理等)でDESを実施する場合に限られたものであることから、私共が多く目の当たりにするオーナー会社間などで行われるDESには適用することができず、まだまだ悩みは尽きないということになってしまいます。

コメントをどうぞ